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道東ではイトウよりも珍しい魚か?
私にとっての幻の魚は、言わずと知れた湿原の王者イトウと言う魚です。しかし、ブルックトラウト(カワマス)と言う魚も私にとっては幻の魚なのです。
その存在を知ったのは釣りを覚えはじめたばかりの少年時代の事。
いつ頃の事か定かではありませんが、『サケの仲間たち』・・・みたいなポスターを、心を躍らせ、目を輝かせて見ていたのを記憶しています。
アメマス、ヤマメ、オショロコマ・・・いるいる、その辺に、ニジマス・・・大物を釣ってみたいなぁ、イトウ・・・いつかは釣るぞ!などと、まだ見ぬ未来の魚達に想像を膨らませながら見ていると・・・
ん?
カワマス?(ブルックトラウト)とあります。
一見、イワナともオショロコマとも言えない魚体。カラフルに散りばめられた斑点模様。複雑怪奇な背中の虫食い模様・・・これは見たことがないぞ!
私がブルックトラウトを知った初めての瞬間です。
カワマス(ブルックトラウト)とはどんな魚か?
「全長やく86cm。体側上部に虫食い状の模様があり、腹びれ、しりびれの白縁が明瞭。他のイワナ類より流れの弱い湖や川に生息。食性は広く、昆虫、貝類、小魚などをたべる。塩焼きとして美味で、遊魚の好対象。北アメリカが原産地で日本には1902年栃木県日光の湯の湖に移入された。ヨーロッパ、南アメリカなどへも移植されふえている。」
とある。
世界的な分布図を見ると、決して多くはないものの、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアやニュージーランドの極一部に生息している模様。これを見る限りでは、意外とどこにでも存在し、簡単に釣れてしまいそうですが、私のつり人生の中では未だに確認出来てはいませんでした。
ここ北海道、特に道東では馴染の薄い魚種であり、いまだ定着に至った背景は明確にされていないと言うのが定説となっている。しかも生息が確認されている場所も特定はされていない。
周りにも釣り上げたと言う情報は無く、昔、この道東各地にも放流された筈だと聞いたこともありましたが、証言自体に信ぴょう性は無く、繁殖していると言う事実にも結び付いていないのが今の現状です。
私なりにブルックトラウト(カワマス)が北海道へどのように移入されてきたのか調べてみた記事があります。こちらも参考にしてください。
しかし、ごくごく稀に地元周辺の河川にて釣果情報を聞くこともあり、間違いなく世代交代を繰り返し現代へ生きながらえているのも事実です。
カワマスを釣ると言う事・・・
そうなると・・・
釣ってみたくなるのが釣り人です。
ものすごく頼りない情報を元に、少しずつ情報をかき集めて特定のポイントを数カ所ピックアップし、綿密な釣行の計画を立てました。
イトウと言う幻の魚を散々追いかけてきましたが、私にとってのもう一つの幻の魚を釣ってみようと思います!
もはや私の中では都市伝説化してしまったブルックトラウトという幻の魚に会うために決心したのでした!
二十数年と言う歳月を経て、移入後半世紀を超える幻の純潔に会いに・・・
特定の条件下にしか生息していない幻の魚
調べれば調べるだけ興味をそそられ、カワマス・ブルックトラウトとはホントに不思議な魚だと思う。道東のある特定の自然環境が見られる、ごく限られた水域にしか棲息しておらず、最近では減少の一途で、いまやイトウよりもはるかに幻の魚となってしまったようです。
しかも北海道のカワマスの現状についてはほとんど把握されていないらしい・・・もう、研究材料としては無意味な物になってしまったのか情報源としては無いに等しい。ここ道東のある特定の場所とは摩周湖周辺の川・・・と言うところまでは見つけ出すことは出来た。
話によると、意外にもメジャーな川にも放流がなされていたらしいのです。しかし、自然環境がそうさせたのか、人間によりそうさせたのか定着するには至らなかったようです。
そもそも今となっては外来種であることは間違いないのですが、ブラックバスやブラウントラウトと同じように害魚扱されていると言う現実もあり、放流は禁止されているようです。
勝手なもんですね、人間って・・・
害魚扱いされるブルックトラウト
そんなに生命力が強そうには見えないのですが、なぜ害魚扱されているのでしょう?
道外の管理釣り場や養殖場では、その存在を容易に発見することは可能だと思うのですが、実はこの魚は他の種との交雑を頻繁に行ってしまうらしいのです。しかも、生まれてきた子達は子孫を残すことは難しいらしく、一代で途絶えてしまうこともあるらしいと言うことがわかりました。
そんなことになってしまったら、生態系が崩れるどころの騒ぎじゃあ無いですよね。でも、もしそうだとしたら今現在棲息している個体はいかにして100年近くもの間、生き残って来たのでしょうか?
最初は人間に慕われていたはずが、気が付くとほぼ隔離に近い状態で人里を離れて細々と生きてきた様を思うと・・・
物悲しい思いでいっぱいです・・・
いざ実釣開始!
出来れば、そぉっとしておいた方が良いのでしょうけど、やはり一度その生存を確かめてみましょう・・・
んで、まずはじめに釣れたのはオショロコマ。
種の混雑・・・
混ざっては・・・
いないようですね・・・
小さいながらも綺麗なオレンジの斑点模様が綺麗です。
次もオショロコマ。かわいいですね!
この魚の特徴でもあるお腹のオレンジの帯がとても綺麗です。
バイカモの隙間を6.5グラムのGRIDがキラキラと沈んでいきます。それに反応して、おそらくオショロコマであろう小さな魚影が下流へと泳いでいくのが見えます。決して数は多くは無いのですけど、小さな魚体だがルアーに対する反応はまずまず良好と言える・・・
のだが、はじめから簡単には行かない事はわかっていたつもりです・・・
それにしても・・・
なかなか釣れない川だ・・・
大物ばかりを追いかけて、小さなシビアな釣りを忘れてしまったらしい・・・スミスの6フィート4インチのロッドにコンクエスト51のリール。5グラム前後のルアーが気持ち良くキャスト出来るすばらしいタックルだと私は思う。
しかし、宝の持ち腐れ・・・バイトはあるもののフッキングには至らず・・・
そんな中、谷の合間に、規則正しく蛇行を続けているバイカモが茂った平面的な水流に、一際大きな大木が横たわっている・・・
そこに作られたイレギュラーな流れは深く大きな淵とオーバーハングを形成していた。
まぁ、いるとしたらここだろうな・・・
小さな枝がいくつも張り出したオーバーハングに、6.5グラムのGRID赤金を滑り込ませる。枝と枝の隙間は10cmはないだろう、そんなシビアなポイントに一発でキャストを成功させてしまう私の集中力を、少しは仕事に役立てていれば、どんなにか素晴らしい人生をおくれていることか・・・
出るか!ブルックトラウト!その見分け方とは?
キラキラ沈む金属のヘラに一段と活発にアタックしてくる色合いが今までと違う魚が見えました。
もしや・・・
黒いシルエットのオショロコマとも違い・・・
ヤマベの存在は未確認・・・
ニジマス・・・でもないか?
オショロコマ達や、ほかの魚達よりも先に餌を食ってやろうという様が、生存競争を勝ち抜く為とは言え、私には卑しくも健気に見えて、そして確信しました。
間違いない!ブルックだ!
2投目のキャストで見事フッキング成功!
サイズは小さいが、
やりました!
もう一つの幻!!
ブルックトラウトです!!!
ありますね青斑点の中に赤点。
背びれにも入っている背中の虫食い模様。約100年近い歳月をこの川で世代交代を繰り返し、今日に至っています。この魚の希少価値というのもあるでしょうが、この個体が生き残っていける環境その物が希少な存在だと思われます。
綺麗なだけの川なら沢山存在するでしょうし、魚が棲める川と言うのも無数にあると思います。しかし、ブルックトラウト、もしくはそれに共存出来る個体の数はそう多くは無いはずです。
多すぎてもダメ、少なすぎてもダメなのです。
ブルックトラウト(カワマス)の潜む特定の限られた環境に学ぶこと
地球と言う偶然の産物の上に存在する人間・・・細くとも長く生きようと思うのであれば、この目の前の環境に随分学ばなければいけない事があるように思えます。
人が行ってきたことが悪い等と、綺麗事を言うつもりはありません。与えられた、限られた環境の中で長く生きていく術を身に着けたい物だと思うのです。
過ぎてしまった事は、今となってはどうしようもない事。何でも揃う便利な世の中を捨てることは出来ませんが、生活が少々制限されても、未来に繋げて行かなければならない物があると思います。
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