ABUアンバサダー5501の修理 ウォームシャフトとギア噛み

アンバサダーの修理依頼を受けた

2017年7月

ABU5501C

先日、ABUアンバサダーの修理の依頼を受けました。

オールドタイプではなく、最近のモデルとなります。

使用回数2回目での故障という事で、持ち主のMさんは酷く落胆しておりました。

私のブログの過去記事を見ていてくださったらしく、ABUのリールに詳しい?であろう、私の元へわざわざ依頼しにやって来たのです。

力になれるかどうかは分かりませんが、ちょっと見てみようと思います。

故障個所の特定

ABU5501C

ABUアンバサダーのデザインからして私は勝手に堅牢で信頼のおけるリールだと言うイメージで捉えていたのですが、他の人の話では意外とトラブルは多いようです。釣行時、万が一の不測の事態に備えて予備のリールを持ち運ぶ事もしばしば。私のパールブラックも最近調子が悪く、クラッチレバーの戻りに一抹の不安を抱えております。

そんなアンバサダー、今回はどこが故障したのでしょうか?

症状としては、ロングキャスト後のリーリング時に何かに引っかかったような感じを受けたけれど、そのままハンドルを回してからレベルワインドが動かなくなり、糸の巻取りがうまくいかなくなった・・・との事。

ABU5501C

スプールのピニオンには問題なさそうです。

ABU5501C

ん?これは!

ABU5501C

コグホイールが完全にいかれております。

ここまでギア欠けしてしまうとウォームシャフトを回しきれませんので、当然レベルワインドを動かす事が出来なくなります。

原因としては・・・これかな?

ABU5501C

ABU5501C

ABU5501C

それにしてもこのリール、フルチューン仕様とは言えこれ以上カスタマイズする所がないくらい位にいじり倒されています。

マグブレーキまで装着されて、なんとも羨ましい一品ではありますが、壊れてしまえば単なるオブジェ。

しっかりと治したいと思います。

本当の原因は他にもあった!

ABU5501C

まずはこのコグホイール。

純正パーツリストによりますと、部品番号は23404となっています。間違っても5152ではありません

作られた製造年月によって部品の違いがあるようで、見た目にはほとんど区別はつきません。微妙にギア一枚当たりの厚みと言うか薄さ?細さ?が違うようで、違う物を組付けてしまうとハンドルがきつくなったり、ガタが出たりするようです。

このモデルは23404。

しかし、このパーツ。ABUのチューニングパーツで有名なBトラップの物ではありませんね、さて何処の物でしょうか。

色々と探し回って、ザウルスジュニアさんで販売されていました。早速発注。

ABU5501C

念のために各部を点検してみたところ・・・

ん?(´・ω・)これは?

ABU5501C

完全に嚙み込んでいますね(;^ω^)

この状態で無理にハンドルを回そうとすると、当然嚙み込んでいますので、固着して一番弱い所が破損することになります。

今回はコグホイール23404という事ですね。

なんとなく全容が見えてきました。

あとは部品交換のみ!

ABU5501C

ABU5501C

破損個所の特定と、おおよその原因は特定できましたので、後は必要な部品を取り寄せて交換するだけです。

ABUアンバサダーのリールは単純な構造なので、部品交換はとても簡単です。

あっと言う間に完了。

ABU5501C

修理を終えて・・・遠投性能に見る物理的な矛盾点

  ABU5501C

使用頻度が極めて少ない今回のリール。故障の原因はどこにあったのでしょうか?

新品状態のフルチューニング済みとして依頼主さんの所へ納品されたらしいのですが、そもそもこのリールの使用目的はどこにあるのでしょうか?

私の勝手な憶測ですが、まず第一に、ベイトリールの欠点でもある遠投性能を極限までに延ばすためと考えられます。

が、しかし。

シマノやダイワの製品とは異なり、このアンバサダーは巻取り時にもキャスト時にもレベルワインダーが追随するような構造となっております。

巻取り時には気にはならないと思いますが、キャスト時には相当高速で右に左に動く事になります。

当然部品単体の使用限度を超える事もあるかもしれません。故障リスクも高くなるでしょう。

また、今回のメンテナンス時に私は部品の洗浄を行っておりません。

写真撮影のために綺麗に洗浄したわけではありません。ほとんど部品にはオイル、油分が付着しておりませんでした。

摩擦抵抗を極限までに減らすためには余分な油分も妨げになると何かで読んだ事があります。

リールを高性能化するために極力油分を減らし、故障リスクを高めてしまうか、少々摩擦抵抗を増やしても故障リスクを減らすかは、このリールを使用する方に迫られる究極の選択になるのかもしれませんね。

このような素敵なリールを末永くご愛用されることを願うばかりです。
参考図書↓

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